また、幽愁の闇が僕の空を覆った。
悩みが頭にどっと押し寄せると、タバコの煙の中に縮み込む。
吸うたびに、微かな寒気神経で脈打つ。だから、その習慣に逃げるようにしていた。
それを指から離すはずがないと思っていた。だが、禁煙した。妻のために。なのに85日目の今日、妻は僕から漂ってくる匂いでミストレスの存在に気がついた。
ミストレスとはタバコだ。
そして、酷い喧嘩になって、「私とタバコ、どちらを選ぶの?」と聞かれた。
静けさだけがあった。何と言えばいいか、わからなかった。
答えられなかった。選べなかった。
僕のような人間には選択肢も少ないし、解決策もあまりないし、それで凍りついた。
どちらを選ぶべきかは明らかだ。しかし、難しい。
だが、選んだ。
タバコを棄てた。
最後味は、悲しさだった。
最後の一口は、恋しい。
最後の一口は、さようなら。


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